【完結】最強魔導士様に嫁ぎました

52 危険な仕事に

sideロロドロア

彼女との甘い口づけの後、魔導士団本部に向かい俺の部屋に入ると、ソファにゼンスさんが腰掛けて俺を待っていた。

「…急用ですか?」

今日、急用といえば精密血液検査の結果しか思い当たらなかった。

「色ボケのところ悪いがな。
精密血液検査の結果、大変な事が分かった。」

「…一体なんですか?」

俺も副団長の席に着きながら、そう尋ねた。

「確かに戻ってきた行方不明者達はみなC型のままだったが…
混ざってるんだよ。」

「混ざってる…?」

「血の中にモンスターの血がな。」

「!!!

血液にモンスターの血液が混ざっている、という事なのですか!?」

俺は自分にも確認するようにもう一度尋ねた。

「あぁ、よくよく考えれば不思議な事では無い。
C型の人間はどんな血液をも受け入れる不思議な特性を持って居る。
犯人はそれを熟知していたんだろう。」

「…………

つまり、モンスターの血が入ると、魔力が上昇し、魔沸点に達しやすくなる、という訳ですか…」

「そう言う事だな。」

ゼンスさんはわずかに諦めが入ったような声で言う。

「魔沸点に達した人数は変わって居ないのですか?」

俺は尋ねた。

「いや、残り15人の中の2人が魔沸点に達し…

殺した。

恐らく残りの13人についても、時間の問題だと考えている…」

「そんな…」

「とにかくだ。
魔導士団のメンバーには、パトロールに出突っ張りになってもらうぞ。
それしか、今のところ対策が無いからな。」

ゼンスさんは言って、部屋から出ようとする。

「ちょっと待ってください。
モンスターの血液が混ざって居る、と言いましたが、《《何のモンスター》》なのですか…?」

「それは、精・精密検査にかけないとわからん。
精・精密検査の結果が出るのは、また1週間後だ。

まぁ、それまでにハネムーンでもしておくんだな。
忙しく…いや、危険な仕事になるかもしれない。」

ゼンスさんは今度こそ、部屋から出て行った。

「もしも、俺の予想が当たっているならば…」

俺は1人きりになった副団長室で、窓の外を見つめてそう呟いた。
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