【完結】最強魔導士様に嫁ぎました

55 初夜②

sideシェリエ

そんな悲痛な事件から、何とか気持ちを切り替えつつ…

今日はいよいよ…
しょ、しょ、初夜だ…!

そうだ。
初夜なのだ。

どうしよう?
どうすればいいのかしら?

でも、ロロドロア様は経験豊富そうだし…
彼のリードに任せれば良いのかしら…?

だけど、それもなんだか癪に障るじゃない?

まぁ、でも、私がリードするなんて、素手でドラゴンと戦うくらい無理なんですけれど…

そんな事で頭がいっぱいになりながら、夕食を終えると、ロロドロア様が私の手を取り引き寄せた。

そのまま抱き上げられ、寝室に一直線で向かう。

「シェリエ、もう君を離さない…」

「ロロド…
私、その、あの、は、初め…」

そう言った時には、ベッドに降ろされ、私の口に彼は人差し指を当てた。

「言わなくても大丈夫だから…

俺に任せてくれ。
初夜も出来ない男に見えるだろうか?」

「け、経験豊富なんですのね…」

「まぁ…」

「あら、どんな女性と一晩を共にしましたの?
気になりますわ!」

「え、いや…
いちいち覚えてないだろ…」

焦るロロドロア様はそう言った。

しかし、その言葉は私にとって地雷だった…らしい。

《《いちいち覚えてない》》!?

ちょっとどう言う事ですの!?

じゃあ、私も抱いたらポイな訳!?

「私…

気が変わりましたわ…

今日は無理ですわ…」

「今更そんなこと…!

いいから、さぁ、口を開いて、俺を受け入れて…」

「嫌ですわよ!
万年発情男!」

「な、な、なんだよ!
その言い方は!

カマトト女め!
今さらもったいぶるな!」

「あら!
それが本音でしたのね!

私部屋に帰りますわ!
さようなら!!!」

私は勢いよく部屋から出て行った。
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