【完結】最強魔導士様に嫁ぎました

57 優しく抱きしめて…

sideシェリエ

あぁ…
またしても余計な事を言ってしまいましたわ…

そんな事が言いたかったのでは無いのに…

だけど、ロロドロア様がたくさんの女性を抱きてきて、その度に愛を囁かれたかと思うと…
我慢できなかったのだ…

だけど…
謝らなくちゃ、よね？

そして、夕食が出来上がった頃、ロロドロア様が帰ってこられた。

「シェリエ…
ただいま…」

「ロロドロア様…
私…
ごめんなさい…！」

「もう、良いんだ…

それよりも、なぁ？
明日オペラを見に行かないか？

デートしよう。」

「まぁ…！
嬉しいですわ！

でも、オペラに着ていくようなドレスありましたかしら…？」

私は考える。
豪華なドレス達は全部サラナに取り上げられて、残ったのはワンピースしか無かったからだ。

「別にオペラはドレスと決まっている訳じゃ無い。
少しめかしこめば大丈夫さ。
それに…

君はどんなドレスよりも、美しいのだから…」

「そんな…！

でも、ありがとうございます。

あの、でも、どうして急にデートなんですの？」

私は少し考えてそう尋ねた。

「…………。

18人全員の死亡が確認された。
全員魔沸点に達したのち、魔導士団が殺した。

5日後に血液の精・精密検査の結果が出るんだ。

それで、誘拐犯組織の居場所が分かれば…

俺は先陣を切って乗り込まなければならないだろう。
俺が強いと言っても…
敵の規模によっては危険な任務になるかもしれない。

その前に君とデートしたいんだ。」

ロロドロア様はおっしゃった。

「そ、そんな…！？
何故ロロドロア様が先陣を切るんですの！？
まるで特攻ですわ！」

「そう言う契約の元この国に居るんだ。
分かってくれ…」

私は喉から何か熱いものが込み上げてくるようだった。

「泣かないで…
シェリエ…

必ず戻ってくると誓うから。

もしも、俺が戻って来なかったら…」

「やめて！
そんな話聞きたく無いわ！」

「聞くんだ。
君の生活は皇帝陛下が保証してくださる。
今度こそ好きに生きるんだ。

そして…
その時は、俺の事は忘れてくれ…」

私は泣いて居た。
まだ、ロロドロア様が戦いに行くと決まった訳じゃ無い。
だけど。
いずれ、この人は行ってしまう。
そう、確信してしまった。

ロロドロア様はそんな私を優しく抱きしめ続けた。