【完結】最強魔導士様に嫁ぎました

58 泣かないで…

sideロロドロア

仕方ないんだ。
そう、仕方ないんだ。

俺は戦いの中でしか生きられない。
それをわかって欲しいとは言わない。
でも、泣かないでくれ。

俺はシェリエを抱きしめながら、そう繰り返し思った。

♦︎

翌日。

昼間は屋敷の掃除や洗濯などをシェリエと一緒にやった。

表情のくるくると変わるシェリエの事は見て居て飽きなかったし、彼女の笑顔を守る為ならば、俺は先陣を切ってでも戦うだろう。
そう思った。

だけど、そんな事は彼女には言わず、俺も笑いながら汚れにまみれて、掃除洗濯をした。

「そろそろ用意しなくては…!」

「あぁ、そうだな。
流石にススまみれのこの格好では行けないか。」

そして、お互いシャワーを浴びて着替えた。

彼女は薄紫のレースのワンピースを着て現れた。
ドレスじゃないけれど、その薄紫は彼女にとても良く似合っていた。

「さぁ、参りましょうか。
奥様。」

俺は腕を差し出し、エスコートする。

「えぇ、旦那様。
楽しみですわ。」

彼女は手を俺の腕に絡ませた。

馬車に揺られて王都の中心地に向かう俺たち。
王都中心地は相変わらず賑わって居た。

「今日の演目は何ですの?」

「薔薇姫、という奴だそうだ。」

俺はパンフレットを見ながら答えた。

そして、オペラ場に到着した。
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