【完結】最強魔導士様に嫁ぎました

66 ザマァエンド?

sideシェリエ

ロロドロア様の魔沸点は治った。

そして、私は治癒魔法の力が開花した。
それも、超強力な、魔沸点さえも治す治癒魔法である。

私たちはしばらく抱きしめ合った。

そして、屋敷に帰って行った。

ラシェン大陸のその城は魔導士団によって壊滅され、ドーランド大陸には平和が訪れた。

私の最強治癒魔法の評判は大陸中に広がり、難病や不治の病の人々が押し寄せた。

そして、ロロドロア様は伯爵の位を賜ったのだ。

私たちは最強魔導士と最強治癒魔法使いのカップルとして社交界でも有名になった。

♦︎

その日、サラナと両親が私たちの屋敷にやってきた。

「シェ、シェリエお姉さま、その、ライザリア家に戻ってきませんこと?
私も少し…わ、わ、悪かったですわ。
ほほほっ!
姉妹で治癒魔法が使えるなーんて、素敵じゃありませんこと!?」

サラナは言う。

馬鹿馬鹿しい。
私に治癒魔法が現れたら、今度は手のひら返す訳か。

ライザリア家の評判は地に落ちていた。
なぜなら、治癒魔法といってもサラナ達の治癒魔法は力が弱い事が発覚したからだ。

「そ、そうよ!
ほら、私はね、最初からシェリエが素晴らしい事に気づいてましてよ!」

母が言う。

「俺だって気づいていたさ!
お、お前らがいじめてたんだろう!」

父が言う。

「3人とも、私を冷遇しましたわよね?
今更どの口下げて帰ってこい、などと言えるのでしょうか?
私はロロドロア様と別れる気も、廃れたライザリア家に戻るつもりもありませんわ。

どうか、3人とも、お元気で。」

私は淡々とそう言った。

「な、なによ!
こっちが下手に出ていれば!」

サラナがムキになる。

「あら、そちらこそ、私の旦那様が最強魔導士だと言う事をお忘れ無く?
言葉には気をつけるんですのね。

あぁ、でもそんな賢い頭はあなたにはありませんでしたわね。」

私はあえて挑発するように嫌味を言う。

「何ですって!?」

私につかみかかろうとするサラナにロロドロア様の冷気が襲いかかった。

「ヒィィィィィ!
手が!
手が凍って!」

サラナは叫ぶ。
だから、忠告したと言うのに。

馬鹿なサラナ。
まぁ、馬鹿というのは最初からわかっていましたけれど。

「それこそ、ご自分の治癒魔法で治癒されてはいかが?
まさか、こんな怪我も治癒する力がないとか?

それこそ、社交界で笑われますわねぇ。」

私は言った。

「お、お、覚えてらっしゃい!」

そして、サラナ達は尻尾を巻いて帰っていった。

その後、ライザリア家の治癒魔法の力の弱さは社交界を駆け巡り、彼らは王都から去って行ったそうだ。
ま、どうでもいいですけれどね。
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