隣のクズは甘い夜が好き。
当然ながら、わたしにつけられたあだ名は「かぐや姫」だ。
「ん。俺は五影夜人」
「五影夜人さん……はい、覚えました!」
もう、名前も暗いですねって突っ込みそうになるよ。
影に夜って……まさに「陰キャ」じゃん。
「あと、これ地元のお菓子です! つまらないものですが」
わたしは、手に持っていた紙袋を彼に差し出した。
彼はそれを見ると、はぁ、とため息一つ。
ええ……まぁ、そうだよね。こんな人が受け取るわけ――