バッカスの女神様はオトコを知らない
「ふーーん、なるほど。興味深いゲームだな。やってみろ。できたらそっちの条件を飲もう」

「それなら、品質管理は修道院で、私がそのまま続けてもいいですか?」

ダニエルは初めて、自分に噛みついてきた小柄なシスターをじっくり眺めた。

異国の血が混じっているのか。

灰色のベールからわずかにのぞく髪色は漆黒、体つきは華奢に見える。

肌はやや黄色帯びた白い陶磁器のようで、つり目ぎみの細い目が印象的だ。

エキゾチックな雰囲気のある顔立ち。

その瞳は薄い青味がかかった灰色、雨が降りはじめる空の色だ。

なんの感情も、恐怖すらその瞳には宿っていないように見える。

神に仕えるシスターだからか?

こういう種類の女は知らない・・・
ダニエルは軽い戸惑いを感じたが、命令を下した。

「それでいい。すぐに始めろ」


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