バッカスの女神様はオトコを知らない
「急性アルコール中毒で死ぬぞ。
ここで死なれたら困る。
アンタは天国に行くから、いいだろうけどな」

「この量なら問題ありません。では、始めましょう」

マークスが指示を仰ぐようにダニエルを見ると、ニヤリと口角をあげてうなずいた。

「やれ」

「それでは・・」

デラシアは、すでに1杯目を飲み干していた。

「問題なしです」

グラスを同じ場所に戻し、片手はすでに2番目のグラスを取っていた。

「これ、ちょっと薄いですね?水増し?」

そのグラスは、場所をずらして置かれた。

マークスが紙ばさみを手に、デラシアの側で記録を取っている。

次々と問題なしが続くが、恐ろしいほど飲むスピードが早い。

「15番、問題なしです」

「16番・・ああ、これですね。微かにかび臭い感じがする」

そう言ってデラシアが飲み干した。

「吐き出さないのか・・・?」

マークスが気味悪そうに見た。

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