バッカスの女神様はオトコを知らない
案内された寝室は、大きな暖炉の上に立派な角を持つ鹿の頭部が飾られ、ベッドは3人は寝られるほどの大きさで天蓋付きだ。

上から垂れ下がるカーテンは、二重で繊細なレースと重厚な深紅の織物。

まるで、教会の祭壇みたいだな・・・
デラシアは素直に思った。

大きな鏡の化粧台、家具や衝立は細かな金細工がほどこされ、ここを使う女主人の権威を示していた。

どの部屋にもトイレと洗面台、シャワー、風呂がついており豪華だ。

「下は厨房と配膳室、客用食事室、あと居間ですね。
使用人のための寝室とシャワー室、トイレもあります」

ジュリアは、手際よく部屋を開けていく。

「滞在の長いお客様は、執事と一緒のことも多いですから」

使用人の部屋は小さめで簡素だが、清潔なシーツ、布団がベッドに置いてあった。


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