バッカスの女神様はオトコを知らない
「ジュリアさんは通いと聞いていますが?」

「はい、朝7時に出勤して、朝食の準備をします。
その後、掃除、必要なら昼食か軽食の用意をします。
3時には夕食を作る料理人が出勤しますので、そこで帰らせていただきます」

その勤務時間を聞いて、デラシアは考えていた。

寝室は使用人の部屋を使おう。

朝食はパンと紅茶、クリームとジャムがあるとうれしい。

「ジュリアさん、朝は9時からでかまいません。朝食は自分でやります。
それから夕食の料理人も必要ないです」

「でも・・シスター」

ジュリアは戸惑いの表情を浮かべたので、デラシアはすぐに続けた。

「レガートさんには私から言います」

「その・・料理人は首でしょうか?私の夫なのですが・・・」

ジュリアが不安げに表情を曇らせた。

「そうですね。旦那様には、ここで作ってもらって、それをすこし分けて下さればいいです。
残りは、家に持ち帰ってもらってかまいません。

食材の費用をレガートさんに支払ってもらうように、これも伝えておきましょう」

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