バッカスの女神様はオトコを知らない
<王宮の厨房>
次の日の朝、デラシアは白のブラウス、黒のスカート、髪は後ろでひとつに結んでいる。
生成りの綿のエプロンを手に持って、玄関ポーチでダニエルが来るのを待っていた。
「おはよう、お嬢ちゃんんん?」
ダニエルの帽子を脱ぐ手が止まり、デラシアを凝視している。
「シスターかぁ??」
「おはようございます。レガートさん」
ダニエルは腕組みをして前に立ち、検分するように上から下まで見た。
「何かオカシイですか?シスターでない恰好をしろとおっしゃったので」
不審げに返答するデラシアに、ダニエルは口を押え、笑いをこらえている。
「いやっ、ベールがないので、印象がちょっと違う。
学校の制服みたいで、普通に女学生?・・・」
「はぁあ?私、30才ですよ?そんな年齢じゃあないです」
デラシアは抗議するように、口を尖らした。
「ぐぇええ?30って、俺より年上なのかぁ!?」
今度は、ダニエルが一歩飛びのいた。
東洋の血がはいっている女は、若く見えるのか。
これは年齢詐称できるな・・・ダニエルは感心した。
「ダニエルさんって、いくつなのですか?」
「俺は28だけど」
「あああ・・私は35くらいだと思っていました。意外と若かったのですね」
表情に乏しいデラシアだったが、やっと驚きの表情が見えた。
ダニエルは帽子を深めにかぶり、納得がいかない表情をごまかした。
「まっ、貫禄があるということだ。で、シスター、王宮での名前をどうする?」
「デラシアでいいです。デラシア・ローズベリー」
次の日の朝、デラシアは白のブラウス、黒のスカート、髪は後ろでひとつに結んでいる。
生成りの綿のエプロンを手に持って、玄関ポーチでダニエルが来るのを待っていた。
「おはよう、お嬢ちゃんんん?」
ダニエルの帽子を脱ぐ手が止まり、デラシアを凝視している。
「シスターかぁ??」
「おはようございます。レガートさん」
ダニエルは腕組みをして前に立ち、検分するように上から下まで見た。
「何かオカシイですか?シスターでない恰好をしろとおっしゃったので」
不審げに返答するデラシアに、ダニエルは口を押え、笑いをこらえている。
「いやっ、ベールがないので、印象がちょっと違う。
学校の制服みたいで、普通に女学生?・・・」
「はぁあ?私、30才ですよ?そんな年齢じゃあないです」
デラシアは抗議するように、口を尖らした。
「ぐぇええ?30って、俺より年上なのかぁ!?」
今度は、ダニエルが一歩飛びのいた。
東洋の血がはいっている女は、若く見えるのか。
これは年齢詐称できるな・・・ダニエルは感心した。
「ダニエルさんって、いくつなのですか?」
「俺は28だけど」
「あああ・・私は35くらいだと思っていました。意外と若かったのですね」
表情に乏しいデラシアだったが、やっと驚きの表情が見えた。
ダニエルは帽子を深めにかぶり、納得がいかない表情をごまかした。
「まっ、貫禄があるということだ。で、シスター、王宮での名前をどうする?」
「デラシアでいいです。デラシア・ローズベリー」