バッカスの女神様はオトコを知らない
「薬草リキュールは、修道院での販売を考えています。
レガートさんと相談をしたいのですが」

「わかりました。社長に伝えましょう」

マークスはメモ帳に書き留めた。

「それから、はちみつ酒の方も養蜂家と契約して、地元で取れるはちみつを使います。
そのラベルですが、これでどうですか?」

マークスが、図案の描かれた紙を差し出した。

白い野薔薇に蜜蜂が飛びかい、赤紫のベリーの実で、周囲を縁取っている。

ローズベリー・・・薔薇とベリーか、おもしろい組み合わせだな

ダニエルの声が響く。

「とてもきれいですね。あと、祈りの言葉を付け加えることはできますか?」

「parce nobis」 主よ、我らを許したまえ

デラシアは図案の端に、書き加えた。

「瓶も普通のボトルではなく、小さめにする予定です。
そしてガラスを細かくカットを入れて、高級感を出します。
こっちはまだ、見本が上がってきていないので、出来上がったらお見せしますよ」
< 56 / 74 >

この作品をシェア

pagetop