バッカスの女神様はオトコを知らない
「今日は祭りだからな。メインホールに行けば、酒が飲み放題だぞ。
この間のコンペに出品した酒が、山ほど飲める。
会社の宣伝も兼ねているからな。
でも条件がある。
未婚の若いオンナだけが無料だ。野郎は金を払うけどな・・・」

王宮の酒飲み放題イベント。

それは、王立軍隊の若い兵士が女の子との出会いがない、そんな不満を解消するために国王が企画したものだ。

「ビールとワインとリキュール、それにソムリエとかバーテンダーも来ていて、結構、本格的に出しているぞ」

「へぇ・・・それって、すごいですね・・」

デラシアは額にしわを寄せ、考え込んだ。

修道院にいる限り、酒場に行くことはできない。

これからも色々な酒を、飲む機会はまずないだろう。

より高みを目指すのなら・・・

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