バッカスの女神様はオトコを知らない
<神様との三角関係>

ドキドキドキ・・・
心臓がおかしなくらい高鳴っている。

人混みをかきわけ、ようやく館に戻ったデラシアはソファーでぶっ倒れていた。

あんな目をして見るのは反則だ!

慈しむような、求めるように、甘えるような・・・

はふっ・・・

ドレスを脱いで、いつもの服に着替えてしまおう。

こんな感情の嵐は、薬草リキュールを一気飲みすればおさまるはず。

そう思うと、少し落ち着いて来た。

いつもの服に着替えて、デラシアは気が付いた。

ショールがない?

どうしよう、どうしよう!!

銀のヒールも泥で汚れてしまっている。

ドレスも所々枯れ葉や枝がくっついているので、ひどい有様だ。

料理長の奥さんに、謝らなければならないし、そして弁償も・・・

これは法王様のワインを瓶で飲みたいと、欲を出した罰なのだ。

そう・・・ダニエルのキスも。


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