【完全版】不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
怖くて怖くて仕方なかった。
和仁さんの腕の中で、ようやく安心して涙が流せる。
「よかった、無事でよかった……!」
「こわかった……っ」
「もう大丈夫だ……」
和仁さんが極道でも人殺しだったとしても、私を思い心から大切にしてくれている。
何があっても絶対に駆けつけて守ってくれる。
号泣しながら震える私が落ち着くまで、ずっと抱きしめてくれた。
* * *
数日後。
「指定暴力団梅堂組解体」というニュースが報道され、新聞の見出しを飾る。
あの後桜花組は本格的に梅堂組を潰し、解体となった。
和仁さんを撃った人物も梅堂組の者だった。
ここ最近で動きが派手になり、梅堂組を潰すべくずっと動いていたのだそうだ。
そんな時、まさかの私が和仁さんの妻だと知られてしまい、今回のことが起きてしまった。
彪冴くんを始めとする梅堂組の幹部は全員逮捕された。
何故かはわからないけど、桜花組は一切関わっていないことになっていた。
そういうものなのだそうだ。
「俺たちも表向きはヤクザっすからね。だから世間には知られず警察の影となって動く、そういうものなんすよ」