【完全版】不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
* * *
妊娠七ヶ月。
私のお腹はすっかり膨らんでいた。
「まあ、ジェシカさん! とっても綺麗よ」
「ありがとうございます」
この日はウェディングフォトの撮影日。
私は敢えてお腹の膨らみがわかるマタニティドレスを選んだ。
見た目は普通のウェディングドレスと遜色ない華やかなデザインなのに、締め付け感がなくて驚くほど着心地が良い。
「雅さん、ありがとうございます。これなら体調も悪くならずにできそうです」
「そう、良かったわ」
「ヘアメイクも綺麗にやってくれて、ありがとうございます」
「ふふ、私の自信作よ」
雅さんはちょくちょく連絡くれたり顔を見せに来てくれたり、とても良くしてもらっている。
最初はどうなることかと思ったけれど、こんなに仲の良いお友達になれてとても嬉しい。
お義母様と雅さんに手を引かれながら撮影場所となる広い洋室へ向かうと、色とりどりのお花が美しく咲き誇り、明るく華やかに出迎えてくれた。
「わあ、すごい……!」
「ジェシカ」
「あっ和仁さん……!」
純白のタキシード姿の和仁さん、カッコ良すぎる……!!
普段は黒いスーツだから白がとても新鮮だわ!
白も似合ってしまうなんて私の旦那様、素敵すぎる……。
「すごく素敵です! 似合ってます!」
「君も……すごく綺麗だ」
「ありがとうございますっ」
もう眼福すぎて既にお腹いっぱいかもしれない。