【完全版】不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
第八話 忍び寄る闇
あれから。自分にできることをしようと改めて思い直し、切り替えて頑張っている。
ガーデニングは相変わらず続けていて、すっかりお庭は豪華になっていた。
「あ、そういえばガーデニング用の肥料がなくなりそうだったんだ」
「それなら車出しますね」
「ありがとう」
色々あってから私はちょっとした買い物でも送り迎えが必須になっていた。
私もそうすべきなんだと思うから、有難く甘えさせてもらっている。
近所のホームセンターへ連れて行ってもらい、ガーデニングの肥料を物色する。
せっかくなら買いだめしておこうといくつか買うことにした。
「そんじゃ姐さん、車に積んでくるんでちょっと待っててください」
「ありがとう」
千原さんを待つ間、観葉植物コーナーを見て回る。小さくてかわいいサボテンなどが並んでいる。
サボテンってこんなにかわいいんだ!
一つ買っちゃおうかしら。これなんてネズミっぽくてかわいいわ。
ネズミのような形をしているサボテンを手に取ろうとして、別の人の手と触れ合ってしまう。
「あ、すみません」
「こちらこそすみません」
「あら……?」