【完全版】不遇な令嬢は次期組長の秘めたる溺愛に絡め取られる。
翌朝、和仁さんに抱きしめられながら目覚めた。
昨夜は帰りが遅くて先に寝てしまったけど、いつの間にか帰ってきてたんだ……。
無防備な寝顔がキュンとする。
ちょっとお髭が伸びているのもカッコいい。
というより、和仁さんだったら何でもカッコよく見えてしまう。
もう少しこのままでいたいけど、朝食の準備しないといけないので起こさないようにそーっと腕の中から抜け出す。
「きゃっ」
――と思ったら、腕を引っ張られて布団の中に引きずり戻された。
「……もう起きるのか」
「だって、朝ごはん作らないと」
「後で俺が作るからもう少し」
そう言って和仁さんはちゅ、ちゅ、と頬にキスしたり耳朶を甘嚙みしたり……服の中に手を滑り込ませるのでぐいぐい押し返す。
「ダメです、和仁さん! お仕事遅れますよ……!」
「……わかった」
明らかに不満そうにしている和仁さんがかわいくて、思わず自分から唇を寄せた。
「……これで我慢してください」
「むしろ拷問だな」