レディキラーを君に
「ああ、ああ。そんなだらしない顔して・・・いつもの奥ゆかしさはどこ行ったの?」
「んっ・・・あっ、ぅうっ」
「ちょっとイジワルなこと言われただけで腰ビクつかせてんの?可愛い」
脚の間に膝が割り込まれ、グリグリとクリトリスがつぶされる。
そんないきなり直接的な刺激が襲ってくるだなんて夢にも思っていなかった私は、大げさなくらいびくりと体を跳ねさせた。
「ぅあうっ!?あっ!ま、っぁぅ・・・待っ・・・ゆっくり」
「ゆっくりなら、して、いいんだ?」
噛んで含めるように、毒を流し込むみたいに、壱村さんは私の耳元で囁いた。全身に血が巡る。
ああどうしよう。こんなにあっさり自分の劣情を認めてしまって。
こんなこと、したことないのに。
こんな、はしたいこと・・・ちがうの私。そうじゃないの。ちゃんとあなたと恋がしてみたくて・・・だから・・・
「ごめんね?待ってあげられなくて。
でも、レディーキラー3杯も飲んだあなたが悪い。
ちゃんと忠告したのに」
「んぅ・・・」
くちゅ、くちゅ。
舌を食べられる音が脳に響く。
「自分から殺されに来た、あなたが悪い」
キスの合間に紡がれたのは私を責める甘い言葉だけれど、どうにもその言葉は言い訳染みた色が目立った。
「ねぇもういろんなこと全部後回しにしようよ。
抱きたい。とりあえず、あなたの事犯したい」
「はっくぅっ」
もうだめだ。
ズルいのは壱村さんじゃないか。
そんな、気持ちまであるみたいな、期待のさせ方するなんて。
それにもう本能が陥落してる。
気持ちはずっと前に彼に堕ちているのだから、本能まで堕とされてしまったら、もうどうにかできるわけがなかった。
うまい返事が見つからなくて、だから私は顎を持ち上げるようにして、彼の唇を奪った。