必然の偶然
1️⃣
🎵〰️
『亘から1件のメッセージがあります』
1年の時に同じクラスだったけどそのときは一回も話したことがなかった私たち。
でも2年生の時にちょっとしたきっかけで連絡を取るようになって、クリスマスに亘が告白してくれて晴れて付き合うことになった。
1年生のときは女子と話してるイメージが無かった。
だけどみんなに優しくて友達がたくさんいて、おっとりしてそうなのにサッカーがすごく上手なギャップに落ちた女子も多かったみたい。
付き合ってからみんなに聞かされるまでモテてることは私は知らなかったんだけどね笑
そんな亘から連絡がきたときはほんとにびっくりしたけど、マメに続けてくれて嬉しかった。
それから仲良くなったんだよね。
けど…
付き合ってから一緒に帰ったのはたったの1回で
連絡をとるのも記念日だけ。
遊びにいったのもたった1回の水族館。
そのときもあんまり楽しくなさそうで1人で泣いて帰ったっけ...
もともと感情をだすのが得意じゃないってきいてたから、そのせいかなって思ったりもしたけどそれだけじゃないよね、、きっと。
亘『話したいことがあるんだけど、電話していい?』
葵『いいよ。何時ぐらい?』
「ごめん。別れよう。」
何となく分かってた。
付き合う前は頑張ってくれてたこと。
もう私に冷めてしまっていたこと。
「葵はまだ好きだよ」
伝えることができたのはたったそれだけで、
引き止めるとか、考え直して欲しいとか、
そんなこと言えなかった。
亘も気持ちを出すのが苦手だけど、
それ以上に私も苦手だった。
亘がクラスマッチのmvpに選ばれた時だって
『おめでとう』って連絡しただけ。
かっこいいって、自分の自慢の彼氏だって思ったくせに、素直に言えなかった。
どっちが悪いとかではない。
しょうがなかった。
気持ちを伝えるのが苦手同士。
相性が悪かったんだ。
別れた後に自分のダメなところに沢山気づいて沢山後悔した。
でもやっぱりもう1回自分からアタックするとか復縁したいなんて言える勇気もなかった。