またあなたに花束を
*
中学2年生の春。私が音楽経験があったこととよくコンクールに行っていることを知っていた彩花は私を何度もコンクールに誘った。けれど、中学生がやる演奏は下手なものばかりなのをわかっていたため彩花からの誘いを断った。が、懲りずにしつこく誘われキリがないと思い、とうとう私が首を縦に降った。嫌々連れてかれたコンクールは徐々にめんどくさいという気持ちが胸を埋めつくしやがて溢れ出していく。予想通り、いや予想以上に下手な演奏だったため次第に聞く気力がなくなっていった。ぼーっとしながら次々演奏される曲を聴いていてなんとなく拍手するのを繰り返す。どうしてどの学校も同じような演奏をするのだろうか。なんの特徴もなく、ただ音を伸ばしているだけの演奏ばかり。惹かれるものがなにもなくぼーっとしていた。
「あと何曲?早く帰りたい」
「あと一曲!」
「そんな事言わないでよ」と笑いながら叩いてくる彩花を冗談交じりに睨む。
「ごめんごめん、睨まないでっ!」
「始まるから静かにして」
はい、、としょんぼりしながら小声でコソコソ言う彩花が面白くて静かに笑っていると最後の曲紹介が始まる。
最後だからちゃんと聞こうと顔を上げたが、この学校の曲紹介もまた似たように"全国大会を目ざしてみんなで頑張ってきました"という一言に聞く気を削がれ下を向いて聞き入っているふりをする。そして始まったつまらない演奏。ただ音を伸ばしているだけの演奏。音程が全くあってない演奏。何もかもに嫌気がさしてため息を吐く。
中学2年生の春。私が音楽経験があったこととよくコンクールに行っていることを知っていた彩花は私を何度もコンクールに誘った。けれど、中学生がやる演奏は下手なものばかりなのをわかっていたため彩花からの誘いを断った。が、懲りずにしつこく誘われキリがないと思い、とうとう私が首を縦に降った。嫌々連れてかれたコンクールは徐々にめんどくさいという気持ちが胸を埋めつくしやがて溢れ出していく。予想通り、いや予想以上に下手な演奏だったため次第に聞く気力がなくなっていった。ぼーっとしながら次々演奏される曲を聴いていてなんとなく拍手するのを繰り返す。どうしてどの学校も同じような演奏をするのだろうか。なんの特徴もなく、ただ音を伸ばしているだけの演奏ばかり。惹かれるものがなにもなくぼーっとしていた。
「あと何曲?早く帰りたい」
「あと一曲!」
「そんな事言わないでよ」と笑いながら叩いてくる彩花を冗談交じりに睨む。
「ごめんごめん、睨まないでっ!」
「始まるから静かにして」
はい、、としょんぼりしながら小声でコソコソ言う彩花が面白くて静かに笑っていると最後の曲紹介が始まる。
最後だからちゃんと聞こうと顔を上げたが、この学校の曲紹介もまた似たように"全国大会を目ざしてみんなで頑張ってきました"という一言に聞く気を削がれ下を向いて聞き入っているふりをする。そして始まったつまらない演奏。ただ音を伸ばしているだけの演奏。音程が全くあってない演奏。何もかもに嫌気がさしてため息を吐く。