白い花のバラッドⅠ


 母のそんな言葉に耳を貸すことなく答えるが、
 

 「今日はダメだ」

 少し厳しい父の声までも聞こえた。


 アタシを見つめる二人の表情は今まで見たこともないくらい真剣なもの。


 どうしたんだろう?


 「……わかった」


 様子のおかしい二人の姿に疑問を持ちながらも仕方なく諦めるしかできなかった。
 

 アタシの言葉にため息をついた父は片手で顔を抑えた。


 項垂れる父はどう見ても元気がない。


 初めて見る光景に僅かな不安を覚えるが、アタシにはそれを問いかける術はなく。


 ただ、混乱することしかできなかったのだ。


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