白い花のバラッドⅠ
見つかったらアタシはどうなるのだろう。
天界の人たちはアタシをどうするつもりなんだろう。父の言う通り利用され、痛い思いや怖い思いをするのだろうか。
もう、二人とは一緒にいられないの?
「魔界へ行こう」
渦巻く焦りと不安を払拭するように力強い言葉が降ってくる。
決断していたであろう言葉を告げる父に続くように母が言う。
「魔界には私の友人がいるの。きっと力になってくれるわ」
母は優しく宥めるように笑みを浮かべた。
だけど頭が混乱したままだ。
魔界に行くということは此処を出るということ。
生まれてから今まで過ごしてきたこの場所を離れる……。