白い花のバラッドⅠ
ドォン!!
と地響きのようなものが鳴ると、辺りに雷の光が眩くなる 上空からは何も見えない。
カイナがどうなったのかさえも。
しかし、
ヒュッ と、短い風の音が聞こえ何かが自分の隣を通り過ぎたかと思うと、体に痛みを感じて下を見ると、自分のお腹のあたりから赫いものが吹き出していた。
「な、?」
状況を理解できないまま、目に映るのは鮮やかな赫。
そして真っ青な雲一つない空。
身体を支えられなくなりヒノカの体は地上へと落ちていき、鈍い音がしてヒノカは地へと激しく叩きつけられた。
身体中に痛みが襲ってくる。
「君の力では私を倒すことはできない」
ヒノカの目に何人かの足元が映った。
無い力を振り絞り視線を上にあげると、カイナは何の表情もなくこちらを見つめていた。