白い花のバラッドⅠ
◇ ◇ ◇
「………い……」
「……ね…………」
虚ろな世界で誰かの話声がする 。
近くで鳴ってるようで遠くに聞こえる感覚に誰だろうなんて思うほど頭は働かない 。
アタシはどうしたんだっけ……。
身体に感じる柔らかな感触にすぐにベッドだということがわかり、重い瞼をゆっくりと開けると見えたのは白い天井と本で見たことのある洋風の小さなシャンデリア 。
眩しくて目を瞑ってしまうのは光のせい……?
ハッと目を開けて鈍い体を起こすと一瞬、頭がクラリと回る。ぐるぐる回る眩暈に頭を抑えながら状況を確認しようとするが上手く頭が働かない。
何が起こってる?
此処はどこ?
母さんと父さんは?
アタシは……