白い花のバラッドⅠ


 「俺って枢ユイトに似てる?」

 「知るか」


 ため息でもつきそうなくらいの声で聞くディランにユウはバッサリと切り捨て、また窓の外を眺める。


 それに落ち込み大きくため息をつくディランの姿に先程までの恐怖はなかった。


 何だかこちらがいじめてるみたいに思えて、



 「よ、良く見たらそんな似てない……」

 「ホントか!?んじゃもう俺のことビビんなよ!」


 落ち込んでいた時とはうってかわり満面の笑みを浮かべるディラン。その笑顔はとても枢ユイトを思い出させることはなかったからアタシはこくりと小さく頷いた。


 「もう済んだか?」


 そんな中、ユウが低い声を発して碧の瞳をこちらに向ける。

 無感情な瞳にやはり恐怖を抱いてしまう。


 「ユウも自己紹介しなよ」

 「めんどくせえ」


 ルディの提案すらもユウは一蹴する。

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