白い花のバラッドⅠ
「今日はもう休むといいよ。きっと疲れたんだね」
ルディの言葉に甘えて寝させてもらうことにしよう。
考えることも辞めたい。
遠目に見えるルディとディランが部屋を出ていく背中。急に部屋が少し広く感じられて寂しくなると同時にトーガも立ち上がる。
「俺も行くわ」
なんて言うから、
「ッ……」
無意識にアタシの手がトーガの服を掴み引き止めてしまっていた。
「寂しいのか?」
「……うん、」
アタシはじわりと涙を浮かべたままコクリと頷いた。
今一人になったら起こった出来事を思い出してしまいそうだ。
「一緒に寝てやろうか?」
トーガの迷惑でないのなら、その申し出に甘えてもいいだろうか。