白い花のバラッドⅠ
もう1日が過ぎたのかと、寝起きで働かない頭で思った。
「俺は用があるからユウが来たら行く」
その言葉にアタシの頭は一気に覚醒した。頭を上げてしっかりとトーガを見る。トーガの瞳には不安げな顔をしたアタシの顔が映っていた。
「どうした?」
「何処かいくの……?」
この安心できる温もりがいなくなる。
「用があるんだよ。俺がいないと不安か?」
アタシは無言で何度も頷いた。
あのユウとかいう悪魔と二人にさせられのが不安で仕方ない。
あの人は怖い。
月のような雰囲気も、
あの冷たい深い碧の瞳も、
冷酷な雰囲気を持った彼が怖い。
「大丈夫だ。あいつはお前に何もしねえよ」
トーガはアタシの心を見透かし、不安で泣きそうなアタシをあやすように背中をポンポンと撫でる。