深を知る雨




「ルフィーノが久々に本部に来てる~」
「話しかけちゃおっかなぁ」
「駄目でしょ、今エフィジオと話してるじゃん。あの2人すっごく仲良いんだから邪魔しちゃ悪いわ」

少し離れたところでルフィーノのファンの女の子たちがひそひそ話し合っているのが分かった。本人たちは小声のつもりなのだろうが丸聞こえだ。

オウ゛ラの女の子たちは何十人かが纏まってルフィーノのファンクラブのような物を作っており、アタシはこれを勝手にルフィーノ派閥と呼んでいたりする。

彼女らはルフィーノが少しお願いすれば言う通りにするので、謂わばルフィーノの駒のようなものだ。

「アンタたち、こいつ普段は甘い顔してるけどスイッチ入るとクソドS野郎だから騙されない方がいいわよ~」
「ちょっとお、女の子に妙なこと吹き込むのやめてくれるう?」
「アタシはアンタの変態性癖の犠牲者が増えないようにしてあげてんのよ」
「エフィジオこそ無害なオネエの皮被って近付いてきた女の子ここぞとばかりに食ってるくせにい。あーやだやだ、ここはサバンナじゃないってのお」
「アタシは完全に油断した女の子を不意打ちで襲いたいっていう男として当然の本能に従ってるだけで、アンタと違ってまともよ?」
「それのどこがまともなのお?じわじわ追い詰める方が楽しいでしょお?不意打ちなんて狡いことしてるくせに男を語らないでもらえるう?このエセオネエが」




「……あれですっごく仲良いの……?」
「うーん……」




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