深を知る雨


「え!?何!?何か理由でもあるの!?私楓に何かした!?」
「いや、お前がどうこうって話ちゃう。あいつが勝手に面白がっとるだけっちゅーか……、……まぁ、また言っとくわ。よそよそしくすんなって」
「え!?やっぱ何かあるの!?大変だ!楓とのフラグが折れたら私のハーレム計画が……!」
「何やその計画……」


そりゃ楓と雪乃と麻里を私のお嫁さんにするっていう計画で……あ、そうだ。


「遊、麻里にもお礼言っときなよ?遊のこと心配して私たちに事情教えてくれたんだから」
「……心配……?あいつがか……?」


まるで怪談でも聞いたかのような表情をした遊は、「何企んでんのや……?」と失礼なことを呟く。

どんだけ信用ないんだ麻里。


「心配なんかしてないわよぅ」
「ほいぎゃあッ!」


いつもの如く奇声を発した私は、勢いよく振り返る。


「ま、麻里!?いつから……、」


何故だ。さっきまでこんなに近くには誰もいなかったはずだ。

麻里の能力……?有り得ないこともない。

超能力部隊が女性禁制となった今、女性は超能力を持っていても軍人になりたければ一般部隊へ入隊する。

麻里が無能力者でなくても可笑しくはない。


「ふふ、あなた女の子だったのねぇ」


するり。いつの間にか服の中に入ってきた麻里の手が私の素肌に触れていた。

な、慣れてやがる!人の服の中への手の入れ方に精通してやがる!


「おっぱいちっちゃい子って乳首もちっちゃいのねぇ~。可愛いじゃなぁい」
「え、あ、う、ま、まり、あの、」
「うふふ、反応しちゃってぇ。顔赤いわよぉ?そう、そのまま力抜いて……あんっ!」
「何しょんねんお前は!」


ばしーん!と遊が麻里の頭を叩く音がした。




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