深を知る雨
分からないことは沢山ある。
小雪が何故私を抱くのか。
人の弱みを握っておいて、することがこれなのか。
女だと最初から知っていたから、私と仲良くしようとしたのか。
―――もしかして、このためにわざと怪我をしたのか。
分からないことだらけのまま小雪に抱かれた私は、久しぶりの情事の余韻に浸りながら、小雪とただの友達では無くなってしまったことを終わった後で実感した。
いつの間にか雨が降り始めていたらしく、外では雨音がしている。
「……ごめん小雪、今日泊まっていい……?」
「晩御飯は?」
「……セックスの後って眠たくなる……」
うとうとしながら会話になっていない会話を交わした私は、素っ裸のまま眠ってしまった。