深を知る雨



「これ以上は見逃せない。Aランクの連中と関わるのはもうやめろ」
「……そうだ、遊だ!私遊と一緒にいたよね!?どうなったの!?」
「あいつにも、もうお前と関わるなと言っておいた」
「えええ、そんな勝手に!」
「そもそも俺は以前からAランクとは関わるなとお前に言ってあっただろう。約束を破ったのはお前だ」
「そうだけど……」

そうだけど、何だ?

私は何を寂しく思ってるんだ?

ただちょっと、知り合っただけじゃん。Aランク寮にいる奴らに協力してもらおうと思ってることもないし。

強いて言うなら遊に売国奴探しを手伝ってもらおうとも思ってたけど、頑張れば1人でも十分だし。

Aランクの皆と話すのは楽しかったけど、友達作りたくてここにいるわけじゃないし。

泰久に2度も注意されたら終わりだ。

「……分かった。もう関わらない」
「いい子だ」

20を過ぎても相変わらず子供扱いしてくる泰久は、そう言って私の頭を撫でたのだった。




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