闇は光を閉じ込めて愛したい。
目を開くと私は何故か見知らぬベットに寝かされていた。


とりあえず起き上がり、周りを見渡すと1人の男が私の隣で寝ている。


スヤスヤと寝てて鬱陶しかったのでそいつの額を叩く。


「……起きたか」


呑気にそんなことを言う男に少しキレそうになったのを堪える。


『それよりここどこ』


そう言おうと思ったのに口から言葉が出てこない。

喉の奥で空気が止まってしまっているといった感じだ。


「………どうした」


口をぱくぱくしてるのに違和感を持ったのか男は聞いてくる。


しばらく口を閉じて無言になる。


「お腹すいたのか?」


『違う』


「喉が渇いた?」


『違う』


「違う」と言う声が出ないので口をぱくぱくするしかない。

< 3 / 12 >

この作品をシェア

pagetop