闇は光を閉じ込めて愛したい。
「………声が出ないのか?」
その言葉にこくりと頷く。
「ふーん、そうか」
男はどうでもよさそうに言った。
「昨日のこと覚えてるか?」
と男に聞かれた。
昨日のことってなんだろうと思い首を横に振る。
すると、
「じゃあ、名前言って」
そう言ってスマホを差し出してくるその男。
喋れないから仕方ないとそのスマホを受け取る。
名前を打とうとするとその手が止まる。
あれ、私の名前ってなんだっけ……
がんばって名前のことを思い出そうとするがモヤがかかっていて思い出せない。
男の方を見ると、無言で早く打てという圧を感じたので
『わからない』
そう書いて見せた。
「じゃあ、歳は」
年齢か。
どれぐらいなんだろうと下を向くと、下着姿だった。
『わからない、って言うかなんで私、服着てないの』
すぐさま下着姿の自分を隠し、目の前の男に打った文字を見せた。
「お前が着てた服、汚れてたから脱がせてやったんだよ。
ベッドが汚れる」
なるほど…
でも男としてはありえないよなとむむむと口を膨らませていると、
「まぁ、でも見た感じ胸とかデカかったし16くらいか」
とか言い出した。
どこ見てるんだよ。
でも自分の体を見て、確かにデカいなって思ってしまった。