闇は光を閉じ込めて愛したい。
Side:夜宵 ~記憶喪失の少女~
“_____”は喋れなくなっていた。
あの夜拾ったところまでは喋れていたのに。
寝て起きたら彼女は全て忘れていた。
“記憶喪失”
その言葉が俺の肩にのしかかる。
やっぱり“あの時”に無理矢理にでも奪ってしまえば良かったんだ。
その時の後悔が押し寄せる。
昔のことを振り返ってもしょうがない。
これからゆっくり時間をかけて“_____”を大事にすればいい。
そのためにも今は”_____”を深紅と呼ぼう。
深紅、愛してる