みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
「お菓子部とか、家庭科部はないのかな?」
「んーどうだろう?あんまり聞いたことないかも」
「そっかぁ…」
もしそんな部活があったら、みんなと楽しくケーキ作りたいな、って思ったんだけどなぁ。
さえちゃんとそんなことを話しながら中庭を歩いていると、「きゃーっ!!」という女の子の声が聞こえてきた。
「な、なに!?」
私は驚いて声のした方へと視線を向ける。
そこにいたのは、複数の女の子たちに囲まれる4人の男子生徒だった。
なんだか4人ともかっこよくて、きらきらしているように見える。
「花宮さん、ラッキーだったね!4人いっしょのところを見られるなんて!」
「え?」
少し興奮したようなさえちゃんとは反対に、私は首をかしげるばかり。
「有名なひとたちなの?」
私がさえちゃんにそうたずねると、さえちゃんは目をかがやかせた。
「有名も有名!通称4人の学園の王子!この学園であの4人を知らないひとなんていないんだからっ!」
「そうなんだ?」
なおも頭上にはてなマークを浮かべる私に、さえちゃんが説明してくれる。