みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい

「一番前にいる背の高い先輩が、この学園の生徒会長、雪城 結人(ゆきしろ ゆいと)先輩!一年生の頃から生徒会長を務めている学園のカリスマ的存在なの!成績優秀、運動神経抜群、それでいてだれにでも優しくて、生徒や先生からの人望も厚い!」

「へえ、すごいひとなんだ」

 たしかににこにことしていて優しそう。それでいて品のある感じがして、まさに王子様って感じの先輩だ。

「で、その後ろにいるのが、となりのクラスの椿 祐希(つばき ゆうき)くん。陸上部のエースで、去年うちの学園の陸上部を全国大会優勝までみちびいたの。超運動できるし、人当たりもよくて明るくて爽やか!話せばみんな友達~っていつも言ってる。となりのクラスだから、合同授業で話せるかもよ~」

 椿くんと紹介された男子生徒は、スポーツマンって感じの爽やかな笑顔を浮かべていて、周りの女の子たちとなにか話しながら笑っている。

「あ、かわいいフードの男の子がいるね」

 制服の下に着ているパーカーから、うさぎの耳のように長いフードが飛び出している。

 着ている男の子も、女の子みたいにかわいい。

 すかさずさえちゃんが説明してくれる。

兎山 慶次郎(とやま けいじろう)くんだね。一年生にして時期美術部の部長だって噂されるくらいの天才。コンクールを総なめしてて、絵がすっごく上手なの!」

 よく見るとその兎山くんは、スケッチブックを小脇に抱えている。

 女の子たちに囲まれているせいか、びくびくとしていて雪城先輩の後ろに隠れしまった。

「で、最後が、」

「あれ?藤川くんだ」

 3人の後ろをめんどうくさそうに歩いていたのは、クラスメイトである藤川くんだった。
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