みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
「えっと…、ここって学園の寮だよね?」
あまりに立派すぎる建物に、気圧されてしまう私。
さっき私が行った寮と違って、目の前にあるのは広くて大きくてお屋敷みたいな建物だった。
「そうだけど。まぁ、生徒会長がいるから、特別寮ではあるけどな」
「生徒会長…?」
私は首をかしげながら、藤川くんのあとをついて寮の談話室にやってきた。
すると、そこには3人の男子生徒がいて……。
「あれー?澪が女の子連れてくるなんてめずらしー」
ソファにだらーんと横たわる、たぶん、雪城先輩。
「ひぃっ!!女子ぃ!?」
私を見るなり、ソファの影に隠れる、たぶん椿くん。
「勝手に変な女連れて来ないでよね、藤川先輩」
スケッチブックを抱えて、うんざりしたような表情でこちらを見るのは兎山くん、だよね?
「あ、れ……?」
たしかに見た目はさきほど中庭で会った、雪城先輩と椿くん、それに兎山くんのはずなんだけど……。なんだかようすが…?
「あー、お腹空いたぁ~、澪~ご飯まだぁ?」
「無理無理むりむり女子はマジでむりっ!」
「なんでもいいけど、今集中してるんだから僕のじゃましないでよね」
あれ?あれれ?
さっき学園で会ったきらきらした三人とは、雰囲気がまったくちがう、ような…?
ぽかんとする私の横で、藤川くんがこう紹介した。
「こいつらが俺のルームメイト。ただ、めんどくさいやつらばっかりだから、まぁがんばれ」
「ええーーー!!!?」
きらきらした王子様たちの裏の顔は、あまりに取り扱い注意すぎる?
私の寮生活、先行き不安です……。