みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
「ごちそうさまー。はぁ、お腹いっぱい…お腹いっぱいになったら眠くなってきちゃった…おやすみなさぁい…」
「え、雪城先輩!?」
雪城先輩は本当に眠ってしまったらしく、小さな寝息が聞こえはじめた。
「ほっときなよ、結人っていっつもこうだから。そのうち勝手に起きてくるでしょ」
兎山くんがうんざりしたように言った。
「そ、そうなんだね」
「それより僕、これから部屋で作業するから、絶対邪魔しないでよね」
「あ、う、うん!」
それじゃ、と言って、兎山くんは自室に戻って行った。
「作業?」
私が首をひねっていると、藤川くんが教えてくれた。
「絵を描くんだろう」
「あ、そっか」
兎山くんは絵がすごく上手で、コンクールでもいい成績を出してるんだよね。
絵を描くってすごく大変なことだよね、きっとものすごく集中するはず。静かにしていなくちゃ。
私はそわそわしながら藤川くんに声をかける。