みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
3 生徒会の王子様

「ううーん……」

 なんだか寝苦しくて目が覚めた。

 カーテンの隙間からまぶしい光がもれているから、もうそろそろ起きる時間なのかな。

 でももう少しだけ、このふかふかのベッドで眠っていたいなぁ…。

 そう思いながら寝返りをうって、目の前の光景に、私の意識は一気に覚醒した。

「え…?」

 目の前には、気持ち良さそうに眠るきれいな顔が。

「え!?雪城先輩!?」

 私は驚いて飛び起きた。

「ななななんでここにっ!?」

 私の部屋、私のベッドのはず…。

 それなのに、雪城先輩がすやすやと眠っていた。

 いつからいっしょに寝てたんだろう!?

「先輩っ!雪城先輩っ!起きてくださいっ!」

 なおもぐっすり眠っている雪城先輩を私は強く揺り動かした。

「なぁに~?もう朝?」

 雪城先輩は目をこすりながら、渋々起き上がった。

「ど、どうしてここで眠っているんでしょうか!?わ、私が借りたお部屋のはずじゃ…」

 私がしどろもどろになりながらたずねると、雪城先輩はまだまだ眠そうにしていて。

「あー、ごめん。また部屋間違えちゃったみたい~」

「へっ?」

「夜中にのどが渇いて、キッチンに水を飲みに行ったんだけど、帰ってくるときに部屋、間違えちゃったんだね。えへへ、ごめんね」

 相変わらずゆるゆるの雪城先輩に、私はぽかんとしてしまう。

 本当に、あの凛としたかっこいい生徒会長の雪城先輩はどこに行ったの…?
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