みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
コンコン、と部屋がノックされて、「朝ごはんできたけど」という藤川くんの声とともに扉が開かれた。
藤川くんは私と雪城先輩を見て、一瞬ぽかんとし、それからものすごい勢いで部屋に入ってきた。
「結人、お前またか!」
そう言って雪城先輩の首根っこをつかむ。
「また間違えちゃった!えへ」
「えへじゃない!あれほど気をつけるように言っただろ!ほらさっさと行くぞ」
藤川くんは雪城先輩を引きずって私の部屋を出て行った。
朝食の席にやってくると、朝ごはんがきれいにテーブルに並べられていた。
「わあ!おいしそう!!」
トーストにスクランブルエッグ、ソーセージ、モッツァレラチーズの乗ったサラダに、コーヒーまで用意されてる!
トーストに塗るジャムなんて、何種類も置かれていて、どれを付けて食べようか迷っちゃう!
「好きなの選んでいいから」
私のとなりに座った藤川くんが、いちごのジャムを手に取りながらそう言った。
「これ、藤川くんが用意したの!?」
「そうだけど」
「すっごくおいしそうっ!」
昨日も思ったけれど、藤川くんって料理がすごく上手なんだ!
晩ご飯もおいしかったし、朝ごはんもとってもおいしそう!
「ひとりで作るの大変だったでしょう?明日からは私も手伝うね!」
「別に。作るの好きだから」
「え、」
もしかしてケーキを作ったりも好き?
そう訊こうと口を開きかけると、雪城先輩がゆるっとテーブルについた。