みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい

「ちとせちゃん、さっきは本当にごめんねぇ」

「あ!いえ!少し驚いたけど、大丈夫です!」

 私と雪城先輩が話していると、椿くんと兎山くんもやってきて、朝食の席に着いた。

「なに?結人また部屋間違えたわけ?いい加減にしなよね。今度僕の部屋に入ってきたら外に放り出すから」

 相変わらず言葉に棘だらけの兎山くん。

 かわいらしい見た目からは想像もできないほどのきつい口調だ。

 4人そろって手を合わせる。

「いただきます」

「ちょっと、結人のサラダの方がモッツァレラチーズ多くない!?」

「えーそうかなぁ?」

「慶次郎、俺のあげるよ」

 にぎやかに話す3人に、つい笑みがもれる。

「今朝は悪かったな」

 そう藤川くんに話しかけられた。

「え?」

「結人、悪いやつではないけど、かなり抜けてるから」

「ああ、うん!そうだね」

「お前も女子なんだから、もう少し警戒した方がいいぞ」

「うん!ありがとう」

 まだ出会って二日目で、みんながどんなひとたちなのかわからないけれど、きっとみんないいひとなんだろうなぁ、ってなんとなく思うんだ。

 これから仲良くなれるといいな。

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