みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
4 生徒会のお仕事
無事本日の授業も終えて放課後。
帰りのホームルームも終わって、さえちゃんとおしゃべりをしていたときのこと。
「花宮さん、おまたせ」
「あ、雪城先輩」
びしっと制服を着こなして、気品のあふれる笑顔を浮かべる先輩。
約束通り雪城先輩が私の教室まで迎えに来てくれたんだけど…。
クラス中がどよめいて、視線が一気に私に集まった。
さえちゃんが丸く大きな瞳を、さらにまんまるにしていた。
「え、花宮さんどういうこと!?いつの間に生徒会長と仲良くなったわけ!?!?」
さえちゃんに肩を掴まれてぐらぐらと揺らされる。
「仲良くっていうか、昨日から…」
あ、そうだった…!
みんなといっしょの寮に住んでいることは、内緒なんだった!
雪城先輩はだれもがあこがれるカリスマ生徒会長。
昨日から寮であまりにだらしない雪城先輩を見てしまっていたので、先輩がすごいひとだっていうことも、すっかり忘れてしまっていた。
「え、えっと、私が転入生だからって気にかけてくれてて、色々手続きとかしてくれたんだよ~」
それっぽい理由を説明すると、「なるほど!」とさえちゃんは納得してくれたみたいだった。
「今日は生徒会の仕事を手伝ってもらいたくてね、いいかな?」
「はい!」
私はあわてて鞄を肩にかけると、雪城先輩の後ろについていく。
振り返ってさえちゃんに手を振ると、後ろの席の藤川くんが机にほおづえをつきながら、こっちを見ていて…。
ん?なにか言ってる…?
声には出さず、藤川くんの口だけが「がんばれ」と動いたような気がした。
私はそれに大きくうなずいて、教室をあとにした。