みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい

「花宮さん、急にごめんね。手伝ってもらっちゃって」

「いえいえ!ぜんぜん大丈夫です!暇ですし!」

 昨日のだらけた雪城先輩はどこへやら。

 生徒会室で資料を確認する雪城先輩はものすごくテキパキとしていて、机に山積みになっていた書類があっという間に片付いていく。

 すごい…!寮で見た雪城先輩とは大違い…!

 寮での雪城先輩は行動のひとつひとつがゆったりとしていて、こんなに早く動く先輩は見たことがなかった。

 私はその横で資料の整理を手伝った。

 そうしてしばらく経った頃。

「さて、そろそろ行こうか」

 そう言って立ち上がる雪城先輩。

「え?どこにですか?」

 きょとんとする私に対して、雪城先輩はきれいに微笑むとこう言った。

「各部活動の見回りにね」


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