みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
 
 私と雪城先輩は、並んで各部活動の練習を見てまわった。

「生徒会長って、こういうこともするんですね」

「そりゃ、生徒会長だからね。生徒のようすはしっかり把握しておかないと」

 雪城先輩は各部にあいさつしたり、練習を少し見学したり、備品のチェックなんかをしてまわっていた。

 私はそれに付き添いながら、困っていることがないかメモする係を務めた。

「やっぱりどの部活動も備品が足りなかったり、新しいものがほしいって話が多かったですね」

「そうだね、うちの学園は部活動が山のようにあるから、なかなか備品がいきわたっていないのかもしれないな」

 難しい表情で考えこんでいた雪城先輩のもとに、二、三人の生徒が駆けてきた。

「会長!」

「ああ、君たちはハンドボール部の」

「この前はありがとうございましたっ!生徒会長が校庭の使用権や備品について、学園側に掛け合ってくれたおかげで、今めちゃめちゃ快適に部活できてます!本当にありがとうございました!」

 ユニフォームを着た生徒達が雪城先輩に頭を下げる。

「いや、僕はとくになにもしていないよ。ただ君たちのあげた声を学園に届けただけ。またなにかあったら、いつでも言ってほしいな」

「ありがとうございます!!」

 うれしそうに去っていく生徒たち。

 私は「おおー」と思わず拍手していた。

「すごいっ!雪城先輩ってやっぱりカリスマ生徒会長なんですね」

 私の言葉に、少し照れたような表情を見せる雪城先輩。

「いや、褒められるようなことじゃないよ。生徒会長として、当然のことだからね」

 くるりと笑顔で私に向き直る雪城先輩。

「で、どうだったかな?」

「え?」
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