みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい

「どこか気になる部活動はあった?」

「あ、」

 私はそこでようやく気がついた。

 雪城先輩が部活の見回りに私を付き添わせた理由。

 そっか、私にどんな部活があるか、紹介してくれてたんだ。

 雪城先輩といっしょにいろんな部活をまわった。

 けれど。

「雪城先輩。この学園には家庭科部やお菓子部はないのでしょうか?」

 今日見てまわった部活動の中には、それらしき部活はなかった。

 やっぱりないのかもしれない。

 雪城先輩は少し考えるそぶりを見せる。

「料理系の部活か…、どうだったかな…」

 さえちゃんに訊いたときも、聞いたことないって言ってたから、もしかしたらないのかもしれない。

 部活があったら楽しそうだと思ったんだけどな…。

 私が半ばあきらめていると、雪城先輩はぽんっと手を打った。

「そうだ、たしかお菓子作り部って部活があったと思うよ」

「え!本当ですか!?」

「うん。毎日活動しているわけじゃないから、今日は見学できなかったけど、たしか設立届が出されていたはずだよ。文字通りお菓子を作る部活だったと記憶してるけど。あれ…でも部長ってたしか…」

 私はうれしくて飛び上がりたい気持ちだった。
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