みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
 
 翌朝、昨日に引き続き寝苦しさで目が覚めた。

 まだ4月だけれど、なんだか少し暑い。

「うーん…」と寝返りを打つと、目の前にはまたもきれいな顔があって…。って!!

「雪城先輩!?!?」

 なんと雪城先輩は私を抱きしめながら眠っていた。

 道理で暑いわけだよ…。

「ていうか先輩、なんでここにいるんですかー!また部屋間違えたんですか!?」

 雪城先輩の腕を引きはがして、私はようやく起き上がる。

「おはよう、ちとせちゃん」

 雪城先輩が目元をこすりながら起き上がる。

「おはようございます、じゃなくて!また部屋間違えてます!」

 私が指摘すると、雪城先輩は起ききっていない顔の目の前で、手をひらひらとさせた。

「ちがうちがう」

「え?」

「部屋、間違えたんじゃなくて、ちとせちゃんといっしょに寝たいから来たんだよ?」

「え、えー…!?」

 きれいな顔でウインクなんてするものだから、少しドキっとしてしまった。

 冗談なのか本気なのかよくわからないだらしない先輩だけれど、なんとなく仲良くなれた、ってことでいいのかな?


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