みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
「まぁ、あんたみたいなやつがひとりでもいたんなら、救われたんじゃないか?」
「え?」
「もういいか?学校遅れるから」
「あ、うん…引きとめちゃってごめんね」
男の子は踵を返すとさっさと行ってしまった。
「………」
ひとり残された私は、なにもなくなってしまった更地を見つめていた。
「そっか、なくなっちゃったんだ…ケーキ屋さん…」
もうあのおいしいケーキが食べられないと思うと、すごく残念…。
けれど、記憶の中のケーキ屋さんは、いつも私の心を明るく照らしてくれている。
私の夢は変わらない。
私もあのケーキ屋さんみたいに、人の心を温かく明るく照らすことのできるケーキ屋さんになるんだ!
「って!もうこんな時間!?私も急がなくちゃ!」
腕時計を見るともう始業間近だった。
私はあわてて学校へと向かった。