みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい
7 女の子克服ミッション
「はい、祐希くん。ブルーベリージャム」
「お、おう…さんきゅ…」
祐希くんの女の子への苦手意識の克服のために、まず私たちがはじめたのは、ふつうに話すことだった。
祐希くんは女の子と話すことに苦手意識を持ってしまったから、少しずつ慣れてもらうために、積極的に私と話す練習をすることにした。
寮で顔を合わせるときは、なるべく声をかけるようにする。
ただそれだけのことなんだけど、こういう地道な一歩が大事だと思うんだ。
雪城先輩がゆるっと会話に入ってくる。
「あれ~ふたりはいつから名前呼びー?」
「あ、それは、」
「僕のことも結人って呼んでくれていんだよ?ちとせちゃん」
「え、でも先輩なのに…」
私と雪城先輩が話していると、今度は兎山くんがうんざりしたように入ってくる。
「あーもう朝からうるさいなぁ!呼び方なんてなんでもいいでしょ?ほら結人はさっさと朝ごはん食べる!」
「わーん、うさちゃん怖ーい」
「だからその呼び方やめてって!」
にぎやかな食卓に笑顔がこぼれてしまう。