みんなだまされてますっ!~イケメン達の裏の顔はめんどくさい

 私のとなりに座る澪くんに、祐希くんはくちびるをとがらせた。

「澪、なんで俺のとなりに来てくれないんだよ~」

「花宮から聞いた。女子克服したいんだろ?だったら俺に甘えずがんばれ」

「うう…がんばるけどさぁ…」

 澪くんと祐希くんは同い年だからか、なんだか仲が良さそうに見える。

 澪くんは教室ではひとりでいることが多いから、気兼ねなく話す澪くんって、寮でしか見られないかも。

「ふたりは仲が良いの?」

 私はそう祐希くんに話しを振ってみる。

「え、えっと…澪とは初等部からいっしょで、何度か同じクラスになったことがあるんだ」

「そうなんだね」

「ち、ちとせは、仲の良い友達できた?転入してきて大変じゃない?」

「友達できたよ!さえちゃんっていうの!クラスの子も優しいから、わからないことはすぐに教えてくれるんだ」

 まだまだ校舎内で迷ってしまうことが多いんだけど、クラスの子がみんな気にかけてくれていて、迷子になりそうな私に教えてくれるんだ。

 早く憶えなきゃって思うけど、みんなの優しさに甘えちゃってるかも。

「それならよかった。俺はとなりのクラスだけど、なんか困ったことあったらいつでも言って。力になりたいし…」

 祐希くんの言葉に、私はうれしくなる。

「ありがとうっ!」

 あれ?もしかして祐希くん、けっこうふつうに話せてるんじゃない?少し慣れてきたのかも?
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